フリーペーパーの業界団体である日本生活情報紙協会では、フリーペーパーの定義として、「特定の読者を狙い、無料で配布するか到達させる定期発行の地域生活情報紙誌で、イベント、タウン、ショップ、求人求職、住宅・不動産、グルメ・飲食店、ショッピング、演劇、エステ・美容、レジャー・旅行、各種教室など多岐にわたる生活情報を記事と広告で伝える」ものとしている。
協会は電通と2009年12月~2010年1月に「フリーペーパー市場実態調査2009」調査を実施した。調査対象の全国のフリーペーパー(FP)・フリーマガジン(FM)発行事業者1,303社(発行事業所) 、有効回答数 271社(回収率20.8%)
その結果によると2006年に発表したフリーペーパー・フリーマガジンの総部数2億9177万4880部をしのぐ3億3766万部と推計するに至った。率にして115.7%、勢いに緩急をつけながらもフリーペーパーはその規模を確実に拡大していることが分かる。
「急速に拡大するフリーペーパー」
●主な読者対象は全体では、「主婦」が52%で最多、次いで「女性20~34歳」(33%)と、女性を読者対象にする紙誌が多い。
フリーペーパーは、6割が「主婦」を読者対象としているが、「シニア」(38%)も多く、家庭がターゲットといえる。フリーマガジンは、「女性20~34歳」(44%)、主婦(44%)、「OL」(23%)、「男性20~34歳」(18%)、「ビジネスマン」(16%)などターゲットはさまざま。
●読者年代は、全体では、「30代」、「40代」が5割を超え最も中心的な年代。次いで「50代」(38%)の順。フリーペーパーは、フリーマガジンに比べ「40代~60代」のスコアが高い。フリーマガジンは、フリーペーパーより「20代」が高い。
●Webとの連動は、Webフリーペーパーやフリーマガジンと連動させたWeb展開。全体では、3分の2がWeb展開を実施、実施予定を含めると8割を占める。既実施企業では「補完媒体としての位置づけ」が中心。
実施予定企業でも「補完媒体としての位置づけ」が「新たな事業展開」をやや上回る。フリーマガジン発行社の方がフリーペーパー発行社より「実施している」企業が多い。
フリーペーパー発行社では、「実施していないし、計画もない」との回答が25%。既実施企業における実施目的は、フリーペーパー発行社とフリーマガジン発行社との差異はみられない。
フリーペーパーは、地域に密着した情報メディアとして、生活情報誌として旅行やグルメなど読者の求めている情報を提供し行動に結びつける役割を果たしているといえるだろう。