小野茶の整枝作業、イチゴの葉かき、秋芳梨の受粉作業・・・
学生耕作隊立ち上げのとき、近藤さんは大学3年生。農繁期にはほぼ毎日、農作業を行いました。
「朝、大学正門に集合して農家さんのお手伝いに行き、夕方大学に戻ってきて、翌日農作業に行く学生を手配して連絡しました。なかにはうっかり忘れてしまう子もいたので、携帯電話にメールしたり(笑)」
小野茶の整枝作業、イチゴの葉かき、秋芳梨の受粉作業、大島みかんの摘果…。さまざまな作業を行いました。
農業作業をはじめる前には農家の人に、その作業の説明をしてもらいます。たとえば、梨の受粉作業であれば、農家の人から、「一番花は大味になるからだめ。八番花は実が小さくなるからだめ。二、三、四番花に花粉をつけてほしい」という説明があると、適当に花粉をつけろといわれるよりも、納得できるし熱心にとりくめます。結果としていい梨もできます。
「作業の意味がわかっていると、援農する側のやる気が出るんです。理由も意味もわからずに、これをやりなさい、あれをしなさいではつまらなくなってしまうんですね。だから農家さんに作業前に5分ほど時間をとってもらって説明をしてもらいます。作業の意味や農業の事情がわかると仕事がとてもおもしろくなるんです」
基本的には、素人でもできる簡単な作業で、かつ、手間のかかる作業を依頼されるケースが多い。1回の作業6~8時間。その間、同じ作業を繰り返します。
農業に関心のある学生たちなので一生懸命農作業を行ないました。「耕作隊で自然と向き合う物づくりの楽しさを知った」という意見が多く寄せられました。
農家の反応は「こんなに一生懸命にやるのか」「しっかりした意識をもち大事な作業もまかせられる」と高い評価を得ています。
現在まで、延べ約100戸の農家に対して、延べ6000人のメンバーが援農に行きました。最初の2年は、メンバーは学生のみで、年間延べ2000人が援農に行きましたが、3年目からはシニア世代もメンバーに加わり、年間2000人になりました。シニアについても随時募集中で、学生耕作隊のウェブサイトから入会申し込みができるようになっています。