本気で働きたい人集まれ!
ホンモノの農を体験できるワーキングホリデー!
飯田市がおこなっているワーキングホリデーは、ボランティアで農作業を手伝う代わりに農家に食事や宿泊の世話をしてもらうというもの。農業のオイシイところだけを体験する観光農業とは違い、地味な裏方作業や、ややきつい労働をお願いされる場合もあります。
でもこれが本当の農作業。こういう地道な作業があってこそ、豊かな実りが得られるのです。
飯田にハマる人続出?飯田型ワーキングホリデーの魅力
ワーキングホリデーを企画した飯田市も、最初は「交通費も作業料も出ないのに、好きこのんで農作業に来る人がいるのだろうか」との不安の声があったそうです。しかし始まってみれば多くの人の賛同が得られ、いまでは受け入れ農家数約90戸、参加登録者数は1,000人を超えました。一度参加した人はリピーターになる率も高いといいます。
ワーキングホリデーに参加した人を再び飯田に引きつけるのは、3泊4日のワーキングホリデー期間の中で育まれる、農家の方々との温かい“きずな”。お客さんではなく、親戚や家族という感覚で接してくれる受け入れ農家の方々との結びつきは、何ものにも変えられません。ワーキングホリデー終了時には涙のお別れになることも多いそうです。
みんなの心を癒す“いくちゃん”の笑顔
受け入れ農家の一人、太田いく子さんは、ワーキングホリデーがきっかけで自宅を農家民宿にしてしまいました。訪れる人から“いくちゃん”と親しまれ、ワーキングホリデー参加者や民宿利用者と手紙のやり取りが続くこともしばしば。
「ここに来た人みんなに、楽しかった!と言って帰ってほしいんです。ワーキングホリデーを受け入れていると、次々に都会の人がやってきて、いろいろな刺激や情報をくれる。こんな楽しいことはないですよ」
教育体験旅行でやってくる中学生は、徹底的にほめて、どんな子もヒーローにして帰してあげるという。そんないくちゃんの温かさに包まれながらのワーキングホリデーは、きっと一生忘れられない宝物になるでしょう。
まじめに働くほど喜びも大きい!
りんごや洋なし、飯田名産の市田柿などを生産する宮澤さん宅には、1年の3分の1を飯田で過ごすというたいへんなリピーターもいるそうです。
「農家の生活に入る感覚で来てもらいたいですね。真剣に仕事しているうちにみんな仲良くなるから、春と同じメンバーが秋にも同窓会だといって集まることもあるんですよ」と言って笑う宮澤さん。
「女の人はみんなすっぴんでリラックスしてね、楽しくおしゃべりしながら作業するんです。普段は都会でバリバリ働いている若い女性が、自然の中で自分を取り戻せたといって喜んで帰るんですよ」
やればやっただけ成果が得られる農作業。何も考えないで単純な作業を繰り返すうち、頭の中が真っ白になってリラックスできたという声も。笑顔あふれる農村の日々は、都会のストレスをリセットする効果があるようです。
※本文中のデータは、2006年12月取材時のものです。予めご了承ください。