第3回(平成17年度)オーライ!ニッポン大賞
グランプリ


南部町(青森県南部町)


 南部町名川地区のグリーン・ツーリズム活動の原点は、その言葉や概念さえ存在していなかった昭和61年に、県内一の栽培面積及び収穫を誇っていた「さくらんぼ」を地域振興の起爆剤にと実施した「さくらんぼ狩り」のイベントから始まっている。このことが農家と消費者の繋がりを生み、交流の輪が町内外に広がっていく中で、「名川型交流」という農業体験、郷土料理、地域文化を生かした交流形態を確立。平成3年度に交流の拠点施設としてオープンした農産物直売施設「名川チェリーセンター」は、平成16年度には2億9千万円の売上額となっている。また平成5年度から実施している首都圏の農業体験修学旅行の受入れは、平成8年度に近隣4町と「三戸地区観光振興協議会」を設立することで大規模校の修学旅行の対応を可能にするなど、受入体制の強化を図り、当時は1校(38人)だったのが、平成16年度は8校(名川町で561人)と増加している。
 平成15年度からは、通年農業観光への誘客を図るために、東北新幹線八戸駅開業に合わせ、八戸・名川間無料シャトルバスの運行を行うなど、積極的に交流事業を展開している。さらに平成16年10月には、青森県との連携のもと、首都圏の中高年層と地元のコミュニケーションを楽しんでもらうモデル事業として、バーチャルビレッジ達者村を開村し活動している。また、平成17年度からは東京の大手人材派遣会社が進める「農業インターンプロジェクト」の研修(9名)を受け入れるなど、いち早く農業体験を中心とした交流事業に着目し、活動実績20年を経てもなお、近隣町村と協力体制を取りながら積極的に取り組んでいる点が高く評価された。