第5回(平成19年度)オーライ!ニッポン大賞
グランプリ


幡多広域観光協議会(高知県四万十市(しまんとし)他5市町村)


 四万十川が流れる高知県南西部の幡多地域は、日本有数のへき地であることから、豊かな自然資源環境、文化や歴史を始め、日本の原風景が色濃く残る地域である。その幡多地域において6市町村が連携し「なんにもないのになんでもある」をテーマに、教育旅行を中心とした都市と農山漁村の交流活動を展開している。
 平成7年に全国に先駆けて環境体験型教育旅行の受入組織として本協議会を設立。広域エリアの「総合受入窓口」として誘致から受入、精算まで一括する組織として活動を行っている。各地域の体験型観光受入研究会組織や個人とのネットワーク化も充実し、自然環境を活かしたアクティビティ、農林水産業体験など、現在は100を超える体験プログラムを広域的に提供している。また、子ども達を受け入れる家庭も100件を超え、更に増加傾向にあり、この事をきっかけに、農家・漁家民宿の開業に繋がるケースも出てきている。またインストラクターも幡多地区全体で500名を超えるなど、充実した体制で受け入れている。平成19年度受入団体数22,受入数2,355名になり、その直接経済効果は、5,000万円を超えている。
 安全で信頼性の高い体験プログラムを提供するため、コーディネート組織(幡多広域観光協議会)、各市町村の体験型観光研究会と受入団体・個人等がネットワークを形成し、情報の共有や、講習会の開催、アドバイス、意見交換会などを通じてメニュー作り、人材・資源発掘など様々な面でお互いが協力し合っている。
 教育旅行という観点をいち早く打ち出し、地域資源と農林漁業、そして人材を結びつけた多種多様な体験プログラムを開発し、500名を超えるインストラクターにより、へき地でありながらも、年間2000名を超える子ども達を受け入れる活動が、地域に大きく貢献している点が高く評価された。