探究的な学習の伴走支援

学校では、新しい学習指導要領の実施に合わせて、探究的な学習による活動が始まっています。
本活動を旅行・集団宿泊的行事と関連付けて“訪問地域での現地学習”に取り組む学校もあります。
当財団では “農山漁村の資源・課題を活用した探究的な学習に取り組む学校等”のために伴走支援を始めました。

新着情報

高校生を対象にした農山村地域(宮城県鳴子温泉周辺)での探究的な学習ツアーの募集

森林を活用した先進的な事業の視察・体験と地域づくり実践者との交流

高校生を対象にした農山村地域(宮城県鳴子温泉周辺)での探究的な学習ツアーの募集をはじめました。
当機構では、農山漁村地域の資源・課題を活用した探究的な学習を普及するために学校側と受入側に対象にした伴走支援に取り組んでいます。
この事業に共感していただいた加藤 十握 氏(私立武蔵高等学校中学校 副校長)の協力を得て、2024年8月20日(火)~8月23日(金) 3泊4日の高校生を対象にした農山村地域(宮城県大崎市鳴子温泉)探究的な学習ツアーを実施します。
ツアーの詳細は下記URLでご確認ください。

https://www.kouryu.or.jp/information/tankyutour2024.html

探究的な学習の伴走支援PR動画


より多くの学校に“農山漁村の資源・課題”を体験・探究していただくために

~“体験学習・対話の機会”を提供している受入先の課題と対策~

1.訪問した宮城県の受入団体の紹介(大崎市鳴子温泉地域・南三陸町)

まちむら交流きこうでは、農山漁村の資源・課題を活用した探究的な学習に取り組む学校のために受入先の紹介を行っています。
今回は当機構の職員が訪問した宮城県の大崎市鳴子温泉地域と南三陸町の受入先を紹介します。

団体名1:鳴子温泉もりたびの会(宮城県大崎市鳴子温泉地域)

鳴子温泉地域の旅館や飲食店、林業家、クラフト関係者、教育関係者等からなる協議会です(法人化の予定)。

①“鳴子温泉地域の自然環境・歴史文化を活かした体験学習プログラム”を提供しています。
【提供できる体験プログラムの分野】
□国民保養温泉地・栗駒国定公園内という立地を活かした「自然体験」
□伝統工芸である鳴子漆器や鳴子こけしなど、自然豊かな環境が産んだ独自の「木工文化体験」
□森林資源を活用したエネルギー循環を学ぶ「環境体験」など

鳴子ダム「パックラフト」体験

鳴子こけしの絵付け体験

②“鳴子温泉地域の地域づくり・環境に配慮した事業の実践者との対話の機会”を提供しています。
【対話を担う人材(例)】
□「鳴子地域の地域づくり」に関わっている方々(旅館・飲食店・クラフト等を営む事業者など)
□「VESTAプロジェクト(未利用材による地域内炭素循環を図るバイオマスエネルギー事業)」の実践者
(林業者、バイオマスエネルギーを利用する事業者など)

VESTAプロジェクトのイメージ

実践者による現地案内

出展:「鳴子温泉もりたびの会」公式サイト(URL https://moritabi.org/
写真提供:鳴子温泉もりたびの会


団体名2:(一社)南三陸町観光協会(宮城県南三陸町)

まちむら交流きこうでは、宮城県南三陸町で学校の児童生徒を受け入れるために、学校や旅行会社の窓口となって、町内の受入関係者との調整・手配等を手掛けています。

①“南三陸町の地域資源を活かした40を超える体験・防災学習プログラム”を提供しています。
【提供できる体験プログラムの分野】
□東日本大震災の語り部・防災・環境プログラム
□南三陸SDGsアクティブラーニング型プログラム
□民泊体験・民宿・交流型宿泊施設プラン
□食・文化 体験プログラム
□モノづくり体験プログラム
□自然体験プログラム

地域資源を活用した体験プログラム

南三陸311メモリアル(防災学習の会場)

②“南三陸町の地域づくり・環境に配慮した事業の実践者との対話の機会”を提供しています。
【対話を担う人材(例)】
□“東日本大震災の震災前と震災後のまちづくり”に関わってきた方々(事業者、住民、行政、観光協会等)
□環境に配慮した事業に取り組む事業者・研究者など
例1:FSC認証を受けた山林を管理する林業者
※FSC認証:「持続可能な森林活用・保全を目的とした適切な森林管理」を認証する国際的な制度
例2:ASC認証を受けた牡蠣養殖場を管理する漁業者、海の環境に係る研究者
※ASC認証:「環境に大きな負担をかけず、労働者と地域社会にも配慮した養殖場」を認証する国際的な制度

FSCガイダンス

牡蠣の養殖場

出展:南三陸町体験学習プログラム|未来を育む、まなび旅。」((一財)南三陸町観光協会の公式サイト)
(URL https://www.m-kankou.jp/educational-travel/
写真提供:(一社)南三陸町観光協会

2.“受入人材・実施場所の確保”は全国の受入先にみられる課題

1の通り、両団体は地域の資源・課題を活かした特色のある体験学習・対話の機会を提供できます。しかしながら、こうした団体が体験学習・対話を担う受入人材や実施場所を確保することは必ずしも容易ではありません。
“受入人材”を確保するには、依頼したい方の都合がつくかどうか、参加する児童生徒数に応じて指導・対話や安全管理を図れる人数を確保できるかどうか等の調整が必要です。
“実施場所”を確保するには、参加予定人数を収容できるかどうか、安全管理・環境負荷等の配慮ができるかどうか等の調整が必要です。
。 “受入人材・実施場所の確保”に係る課題は、農山漁村地域の受入先だけでなく、学校の宿泊行事を受け入れてきた観光地でも大きな課題となっています。近年、宿泊施設・貸切バス等の予約が、職員不足・働き方改革・オーバーツーリズムなどによる影響で、以前よりも難しくなってきました。
そのため、「児童生徒数が多い“大規模校”では、“同一の受入先”で必要な受入人材・実施場所が確保できないために、“1学年全員による同一の活動”が実施できない」という現象も生じています。

3.近年見られるようになった“大規模校による訪問先の分散”

宿泊行事で体験学習や探究的な学習を実施する大規模校の中には、受入先(受入人材・実施場所)を確保するために、“訪問先を分散する取組み”もみられるようになりました。訪問先を分散すると“1受入先当たりの参加人数”を抑えられるので、各受入先では“受入人材・実施場所の確保”に係る課題が低減されて、受入可能性を高められます。

訪問先を分散して体験活動・探究的な学習を実施する大規模校の取組み(イメージ)


実際に、“訪問先の分散”を実施した大規模校の教員に伺うと、「受入先ごとに事前調整が生じたこと、保護者への説明を要したこと、受入先ごとに教職員が分かれて管理したこと」などの課題を挙げましたが、「受入先ごとに参加人数を抑えたことで、本校の目的にかなう宿泊行事を実現でき、充実した多様な体験学習や対話の機会を設けられたメリットは大きい」というご意見をいただきました。


4.まちむら交流きこうが勧める“広域的な受入先の連携”

これからも“宿泊行事を計画する際に訪問先の分散を検討する学校”があらわれると推察しています。
そこで、当団体では、“受入先に対する支援”の一環で、“近隣の農山漁村地域・観光地の受入先が連携して広域的に受け入れる体制(広域的な受入先の連携)の整備”を図ることを勧めています。

【令和5年度の取組例】
□県・県観光団体等が開催する会議・研修での解説、受入関係者を対象にしたワークショップの開催等
□近隣の受入地域団体のお引き合わせ等

鳴子温泉もりたびの会と(一社)南三陸町観光協会の担当者間による情報交換


まちむら交流きこうでは、より多くの学校に“農山漁村の資源・課題”を体験・探究していただけるように、今後も“広域的な受入先の連携”を図ることを勧めていきます。

受入側地域:宮城県鳴子温泉地域・南三陸町の課題と対策(PDF)


探究的な学習の伴走支援PR動画


1.“農山漁村の資源・課題を活用した探究的な学習”の勧め

探究的な学習では、 「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習」を行うことで、「児童生徒の生きる力 (よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力)を育成する」ことを目標としています。
当財団では“農山漁村の資源・課題を活用した探究的な学習”を勧めています。
□ 農山漁村には“実社会・実生活の課題”が存在すること
(“探究”に入りやすく“本質”に迫りやすい)
□ 農山漁村には“様々な取組みを行っている人材”が存在すること
(多様な交流・対話の可能性)
□ 農山漁村には“理系の学習”に活かせる自然環境などの資源が存在すること
(大学の理学部拡充:令和6年度~)
□ “来訪地域への貢献(地域貢献)”に取り組めること
(交流・対話を通じた“関係人口”の創生など)

農山漁村の資源・課題×探究的な学習図

2. “学校”を対象にした伴走支援

~“豊富な農山漁村とのつながり”と“学校と農山漁村をつないだ経験”を活かしたご支援~

本活動に取組む学校をご支援するために企画前から実施後まで専門職員が伴走します。
“豊富な農山漁村とのつながり”と“学校と農山漁村をつないだ経験”を活用したご支援を行うことができます。 


■パンフレット:当財団による“学校を対象にした伴走支援”(PDF形式
■参考資料:当財団による“学校を対象にした伴走支援”の取組事例(PDF形式

探究的な学習の搬送支援図

3. “農山漁村”を対象にした多角的な支援

教育旅行民泊(ふるさとホームステイ)の安全・安心な受入体制の整備等を推進してきました。
2008年から国による“子ども農山漁村交流プロジェクト”の開始に合わせて取り組んでいます。
“農山漁村の資源・課題を活用した探究的な学習を受け入れたい農山漁村”のために多角的な支援を行います。

探究的な学習Q&A
まちむら交流きこうの教育旅行支援

【関連サイトのご紹介】

“専門職員の派遣”のご紹介
“登録受入地域団体”の検索サイト(子供の農山漁村体験支援サイト)
“グリーン・ツーリズム総合保障制度(団体保険)”のご紹介

【お問合わせ先】

業務第1部 担当:花垣・清水・長谷川
TEL:03-4335-1987  メールアドレス: kodomo@kouryu.or.jp

各種お問い合わせはこちらから

(一財)都市農山漁村交流活性化機構(まちむら交流きこう)東京都知事登録旅行業第2-5925号
〒101-0042 東京都千代田区神田東松下町45 神田金子ビル5階

お電話
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土曜・日曜・祝祭日・年末年始・お盆を除く
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